当院の日帰り手術について

内視鏡手術の目覚ましい発展により、超低侵襲な手術が可能となりました。
当院ではアドベントサージセンター方式の痛みや出血を最小限に抑えた日帰り手術が可能です。
一般的な"破壊的な解剖を変える"手術ではなく、正常に近い形態に近づけることが理想的な手術と考えています。
そのため、極力正常な部位は温存させて、非破壊的な手術を心がけております。
実際の手術時間は15~30分と短く、体の負担が非常に少ない手術法です。
院長は過去日帰り手術に関して計14,000件以上の実績がございます。
また、年間900件(小手術を含む)の日帰り手術を施行しております。
医療費(社会保険費)の高騰がニュースで報道されている中、欧米では普及している手術法です。 入院して行う通常の手術に比べて医療費も半額程度で済みます。 ※全身麻酔が必要な小児や重症の方は、提携先の東京サージセンター(現、鼻のクリニック東京)へ紹介致します。
鼻のクリニック東京HPはこちら
鼻詰まりの弊害

たかが鼻詰まりと侮ってはいけません。
鼻呼吸は生命維持の根幹であり、睡眠の質にも密接な関係があります。
いびきがひどく睡眠時無呼吸になると夜間覚醒、起床時の頭痛、日中の眠気やだるさ、高血圧、不整脈、心筋梗塞、脳梗塞の原因にもなります。最近の研究では重症の睡眠時無呼吸症候群の方の治療しなかった場合突然死のリスクが高いため、余命は5—7年といわれており放置してはいけません。
重症の睡眠時無呼吸症の場合は睡眠時にCPAPという機械をお貸しして、陽圧の空気を鼻から送気します。
通年の鼻つまりの方にはCPAPも使用できない場合がございます。 そのような患者様には低侵襲な日帰り手術を勧めます。
慢性的な口呼吸は鼻の加湿空気清浄機としての機能が使えない為、口の渇きだけでなく喉を痛めやすいなど、風邪をひきやすくなります。
朝起床時に口がからからに乾いている方は夜間鼻呼吸できていないサインです。
小児の鼻つまりの場合は顎の発育や情操の発育にも関係いたします。
保存的治療の抗ヒスタミンの内服は眠気が出る事あり勉強に支障をきたす事があります。
当院では超低侵襲の日帰り手術を得意としており、アレルギー性鼻炎、肥厚性 鼻炎の鼻づまりは局所麻酔を用いて、15分程度で手術を施行できます。
手術後は内服しないでも、ステロイド点鼻のみで良い状態が維持しやすくなります。
ステロイド点鼻というと身体への負担など怖い印象をお持ちの方々いますが、点鼻薬は局所で効き血中濃度は上がらない為身体への影響はほとんどありません。
院長は解剖をなるべく壊さないように、少ない侵襲で正常な状態が維持しやすくなる様な手術を心がけています。
花粉症(アレルギー性鼻炎)について

当院では、花粉症(アレルギー性鼻炎)に対する手術治療として、高周波ラジオ波メスによる粘膜焼灼術を行っています。
アレルギー性鼻炎の治療は、アレルギー物質の回避とお薬での治療が基本となりますが、そのような治療では充分に効果が得られない方に効果的です。
特に鼻づまりの症状が強い方、薬が効きにくい方はよい適応になります。
尚、手術の際は、局所麻酔で済みますので、術後はその日のうちにご帰宅頂けます。
実施できる検査・設備
- 電子カルテ
- 画像ファイリング
- ワイヤレスCCDスコープ
- 聴力検査(難聴、耳鳴りの検査)
- ティンパノメトリー(鼓膜の動きの検査)
- ネブライザー
- 内視鏡システム
- 極細の小児用ファイバー
- マイクロデブリッダーシステム(副鼻腔炎手術)
- 高周波ラジオ波メス(鼻炎手術) など
- 血液検査(アレルギー検査、術前検査)
- 心電図(術前検査) など
- 低被爆CTスキャン
日帰り手術実施
当院の鼻手術はすべて鼻の入り口から内視鏡を用いてすべての手術操作ができますので、身体への負担が少なく(低侵襲)、顔の皮膚には傷はつきません。
下鼻甲介手術とは
アレルギー性鼻炎などが原因で過剰に肥厚した粘膜を縮小する手術で鼻つまりに有効です(手術時間 両側10分)。
鼻中隔矯正術とは
左右の鼻の間にある壁が極度に曲がっている場合、曲がっている軟骨を除去し正中に矯正します(手術時間 15−30分)。
内視鏡下副鼻腔手術(ESS、FESS)とは
顔の中の副鼻腔という空洞に、細菌などが貯留している状態を慢性副鼻腔炎(蓄膿症)といいます。症状は頭痛、膿性の鼻水、嗅覚障害、後鼻漏、鼻つまりなどです。
元々開いているはずの排泄路が閉鎖しているため、内視鏡下に排泄路を広げる手術です(手術時間 片側15−40分 手術範囲によります)。
粘膜下下鼻甲介骨切除とは
下鼻甲介手術をしても、1年以内に粘膜の腫脹が再発するような重症の肥厚性鼻炎の方が対象です。下鼻甲介の粘膜下の骨を切除する方法です。この手術も内視鏡を用いて鼻の入り口から手術操作できます(手術時間 片側15分)。
鼻ポリープ切除術とは
慢性副鼻腔炎が原因で病的な粘膜が空気の通路を塞いでいる場合、デブリッダーという器具で切除しながら吸引除去する方法です(手術時間 片側5−10分)。
後鼻神経切断(経鼻的翼突管神経切断術)とは
通年のアレルギー性鼻炎で薬の効かない重症の方が対象です。
手術しても体質は変わりませんが、鼻の中へのアレルギー反応の伝達をする副交感神経を切断する事で、アレルギーによる過剰な反応が抑えられます(手術時間 片側30—40分)。
鼓膜チューブ留置術とは
小児の難治性の滲出性中耳炎が対象となります。当院では3ヶ月以上鼻治療や通気処置しても改善ない滲出性中耳炎を対象に手術しております。
鼓膜を切開しても、すぐに鼓膜は再生閉鎖してしまうため、中耳の貯留液が抜けきらない場合何度も鼓膜を切開するリスクがある場合などが対象となります。
手術は両側10分程度で局所麻酔にて痛みは無く施行できます。
滲出性中耳炎は痛みがないため、小児では訴えがないのですが、長く放置すると癒着性中耳炎(難聴)や真珠腫性中耳炎(骨の破壊)のリスクがあり注意を要します。
いびきや無呼吸は、危険信号です
体調の維持には、穏やかな呼吸とともに深い睡眠を導く「良質な睡眠」が重要です。この良質な睡眠をさまたげる要因は、いびきや無呼吸です。
いびきをかく人の多くは、重症だと睡眠時無呼吸症候群を合併しています。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に、「激しいいびきをかく」「呼吸が止まる」などの症状が現れ、起床時の頭痛や良質な睡眠がとれ無いため日中の眠気や倦怠感、集中力の低下を引き起こす病気です。
症状
十分な睡眠時間をとっているのに目覚めが悪い、体がだるい、昼間に居眠りしてしまう、といった症状が起こります。交通事故の率が高いといった統計データがありますので、車を運転する仕事に就かれている方は要注意です。
また睡眠時無呼吸症候群を放置していると糖尿病、高血圧、心不全、心筋梗塞などを引き起こす可能性を高めることが、多くの研究結果から明らかになってきました。
原因
いびきや無呼吸が生じる原因は、肥満・顔の骨格(下顎の骨格の小ささや舌の大きさ)・加齢・飲酒、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、扁桃肥大などにより、気道が狭くなることです。睡眠時に咽頭や舌の筋肉の緊張が緩み、気道が狭くなると呼吸のたびに気道が震えていびきが発生します。
診断
睡眠中に呼吸が止まったり(無呼吸)、空気の流れが弱くなったりした状態(低呼吸)が1時間に何回も起こる状態を「睡眠時無呼吸症候群」といいます。具体的には「10秒以上続く無呼吸」または「血中酸素濃度の低下を伴う低呼吸」が1時間に5回以上起こる状態です。1時間あたりの回数を無呼吸低呼吸指数(AHI: Apnea Hypopnea Index)といい、重症度を決める際に使用します。
当院では、咽頭と鼻腔の診察を行った後に、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、寝ている間にAHIを測定する検査機器を貸し出しいたします。機器をお持ち帰りいただき、就寝時に装着ください(検査方法は簡単です)。検査結果のデータを確認して、睡眠時無呼吸症候群であった場合には、いくつかの改善方法があります。
治療
AHIの結果を参考にします。軽症~中等症の方には、ダイエットとあわせて、マウスピースを装用する治療をお勧めします。マウスピースは睡眠時に舌がのどに落ちるのを予防する効果が期待されます。歯科医師に作成を依頼します。
AHI=40以上の重症の睡眠時無呼吸症候群の方にはCPAP(シーパップ)をお勧めします。
この治療には保険が適用されます。酸素マスクのような加圧装置であるCPAPを装着して毎日睡眠をとって頂きます(吸気に圧力を加えて、のどを広げるイメージです)。装着をしなければ、また元に戻ってしまいますので、このCPAPを装着しながらダイエット、また原因がのどや鼻の病気であった場合にはそれらの治療を行っていきます。
院長こだわりの手術環境と道具
安全な手術環境とは(当院は大学病院同等の手術用機械を用いてます)
内視鏡洗浄装置
内視鏡先端は血液で汚れやすく、従来は汚れる度に内視鏡を手術野から抜いて先端を拭いて手術をしていました。
現在では加圧した水流を用いて常に内視鏡先端を洗浄しながら手術できるため、出血した視野でも安全に良い視野を確保できることから手術時間の短縮のみならず、病変に1mm程度近接した超拡大手術が可能となりました。
副鼻腔内視鏡とは

副鼻腔内視鏡を用いて自然排泄路(元々からある自然の出口)をターゲットにしてピンポイントで拡大するため、身体への侵襲は非常に少なく安全になりました。
当院では最新鋭フルハイビジョンの内視鏡を導入し、0.1mm程度の毛細血管も手術中に観察できますので、繊細な手術が可能となります
stryker製品情報はこちら
Medtronicハイドロデブリッダーについて

ハイドロデブリッダーは慢性鼻副鼻腔炎における高圧洗浄システムです。内視鏡下副鼻腔手術の限界として、難治性の好酸球性副鼻腔炎や上顎洞真菌症などは、膿汁がチーズ状(ムチン質)で固形に近く排泄路を解放しただけでは治らないケースがあります。この医療機器の使用のメリットとして、高圧の水流で患部を洗い流すため、従来の副鼻腔炎手術アプローチでは治りにくかったケースも、治りやすい状態にすることが可能です。
メドトロニックハイドロデブリッダー製品情報はこちら
マイクロデブリッダー(Medtronic ipc)とは

内視鏡下副鼻腔手術するための専用の手術器械です。
先端に回転刃がついており、病変を削りながら吸引でき、術者はこの回転刃を自在に向きを変えて細やかな副鼻腔の病的粘膜や隔壁を掃除していきます。ただし副鼻腔は眼窩や頭蓋底と接した危険な部位のため、手術道具の操作には熟練を要します。
マイクロデブリッダー(Medtronic ipc)製品情報はこちら
サージトロン(RFメス)とは
手術野に吸引を5系統準備
内視鏡洗浄装置、マイクロデブリッダーシステム、手術野の出血の吸引、ウォーマルトの吸引剥離子、口腔内吸引をそれぞれ準備することでクリーンな視野を常に確保しております。
CTナビゲーション(medtronic FUSION ENT NAVIGATION SYSTEM)
以上のような何重もの安全な手術環境を準備することで、超低侵襲な手術を可能としております。