鼻の症状

鼻の症状・口呼吸
鼻の症状・鼻呼吸

鼻詰まりの弊害:たかが鼻詰まりと侮ってはいけません!

鼻呼吸は生命維持の根幹であり、睡眠の質にも密接な関係があります。
いびきがひどく睡眠時無呼吸になると夜間覚醒、起床時の頭痛、日中の眠気やだるさ、高血圧、不整脈、心筋梗塞、脳梗塞の原因にもなります。最近の研究では重症の睡眠時無呼吸症候群の方の治療しなかった場合突然死のリスクが高いため、余命は5~7年といわれており放置してはいけません。

重症の睡眠時無呼吸症の場合は睡眠時にCPAPという機械をお貸しして、陽圧の空気を鼻から送気します。通年の鼻つまりの方にはCPAPも使用できない場合がございます。 そのような患者様には低侵襲な日帰り手術を勧めます。
慢性的な口呼吸は鼻の加湿空気清浄機としての機能が使えない為、口の渇きだけでなく喉を痛めやすいなど、風邪をひきやすくなります。
朝起床時に口がカラカラに乾いている方は夜間鼻呼吸できていないサインです。

小児の鼻つまりの場合は顎の発育や情操の発育にも関係いたします。
保存的治療の抗ヒスタミンの内服は眠気が出る事あり勉強に支障をきたす事があります。

当院では超低侵襲の日帰り手術を得意としており、アレルギー性鼻炎、肥厚性 鼻炎の鼻づまりは局所麻酔を用いて、15分程度で手術を施行できます。

手術後は内服しないでも、ステロイド点鼻のみで良い状態が維持しやすくなります。
ステロイド点鼻というと身体への負担など怖い印象をお持ちの方々いますが、点鼻薬は局所で効き血中濃度は上がらない為身体への影響はほとんどありません。
院長は、解剖をなるべく壊さないように、少ない侵襲で正常な状態が維持しやすくなる様な手術を心がけています。

難治性の鼻治療について

好酸球性副鼻腔炎

アレルギー性鼻炎、気管支ぜんそく、嗅覚障害、アスピリン喘息と関連が深く慢性副鼻腔炎の中でも、最も難治性に分類される副鼻腔炎です。
特徴は篩骨洞優位に慢性の副鼻腔炎をおこし、鼻腔内にポリープが充満するため、ひどい鼻つまりと、嗅覚の通り道(嗅裂)が閉鎖するため、においがしなくなります。

治療は内視鏡下副鼻腔手術が第一選択となりますが、非常に再発しやすく、術後も定期的な観察が必要です。
術後に風邪をひいたときなど、ポリープ再発時には短期間のステロイド内服をする事で、正常に近い鼻呼吸を維持する事が可能です。

当院は難病指定医療機関のため、好酸球性副鼻腔炎の難病指定も積極的に行っております。
星長院長、川野副院長ともに難病指定医師です。

好酸球性副鼻腔炎の再発症例にデュピクセントと言うバイオ製剤が大変有効です。
デュピクセントは非常に高額な薬ですが、難病指定がありますと、比較的安価に受けられることができます。

鼻洗浄(鼻うがい)のススメ

後鼻漏や慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎に有効な鼻うがい

後鼻漏とは、どろどろした鼻がのどの奥にまわり、咳など不快な症状が慢性的に継続する状態です。
多くは慢性副鼻腔炎に伴う症状ですが、慢性副鼻腔炎がない場合でも、鼻腔粘膜の繊毛運動の低下により、生じる場合があります。
現在でも残念ながら特効薬といえる薬はございませんが、生理食塩水での鼻洗浄は半数以上の方に有効です。
当院では専用の容器に入れて、生食の鼻うがいを処方しており、子供から老人まで推奨しており、後鼻漏や慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎に有効です。
人体の涙と同じ成分ですので、妊娠中や授乳中など、内服できない時期でも安全に使用できます。
鼻洗浄を施行することで、内服薬を最小限にでき、通院回数も減らす事ができます。

よくある質問:鼻の症状について

一般的には透明でさらっとしたいわゆる「水っぱな」はアレルギー性鼻炎のことが多く、黄色や緑色ににごった鼻汁が出るときは風邪である場合がほとんどです。
アレルギー性鼻炎はある日突然発症することもあり、正式な診断は血液検査で行います。
また、にごった鼻汁が長く続くと、ちくのう症(副鼻腔炎)に移行している可能性があり、なるべく早期の検査と治療が重要です。
また、鼻の中には粘膜のひだ(鼻甲介といいます)が幾つかあり、そのひだとひだの隙間が空気の通り道になります。
鼻づまりとは鼻甲介が腫れあがってしまい空気の通り道が塞がれてしまうために起ります。花粉やホコリによるアレルギー性鼻炎が原因のひとつとなります。
その他にポリープあるいは鼻茸といわれる粘膜の病的なむくみが原因のこともありますが多くはちくのう症(副鼻腔炎)である場合がほとんどです。
アレルギー性鼻炎では内服による治療やレーザー治療を行います。
ポリープの場合、サイズにもよりますが多くは外科的治療が必要となります。

咽喉(のど)の症状の慢性上咽頭炎をお読みください。

鼻粘膜焼灼は鼻甲介粘膜を高周波電流を用いて焼灼するものです。
鼻の粘膜には、たくさんの凸凹したでっぱりの部分があります。この凸凹を「鼻甲介」と言います。
鼻甲介はアレルギー物質を感知する場所でもあり、杉花粉やハウスダストなどの原因物質が入ってくるとそれを感知した鼻甲介は膨れ上がり、入り口をふさごうとします。又、原因物質の進入を防ごうと鼻水が多く出されます。
これがアレルギーによる鼻づまりの原因です。

鼻粘膜焼灼により、鼻甲介そのものを縮小させるため、特に鼻づまりには効果があります。
但し、効果の持続には個人差があります。

ちくのう症(副鼻腔炎)の可能性が疑われます。
治療についてはマクロライドという抗生物質を用いるのが主流です。
おおよそ3~4ヶ月間この治療を行っても治らない場合は外科的治療が必要となります。

鼻の入り口から1cmほどの所に「キーセルバッハ」という部位があります。
ほとんどの場合ここから出血します。
鼻炎があり、よく鼻をいじったり、強く鼻をかみすぎて出血することがありますが、傷が深いと、顔を洗ったり、笑っただけでも出血することがあります。