耳の症状

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耳、鼻、咽喉(のど)は、それぞれの器官が、奥でつながっており、互いの器官が深い関係にあります。耳で起こる症状であっても、鼻や咽喉(のど)に原因がある場合もあります。こちらでは、鼻の診療一筋の当院から、耳の症状と鼻の症状の関連についてご紹介いたします。

耳の病気と鼻との関連について

急性中耳炎

急性鼻炎、急性副鼻腔炎などの鼻風邪の時に鼻をすすると中耳腔が陰圧になる事で鼻風邪から急性中耳炎になる事が多くあります。特にお子様は鼻と耳をつなぐトンネルが短く水平に近い為中耳炎を起こしやすいです。
予防方法は鼻をかむこと、軽く鼻うがいすること。早期に鼻風邪の治療を開始する事です。乳幼児は鼻をかめないため電動の鼻吸引を家庭内で使用する事が推奨されます。

耳管狭窄

鼻と耳をつなぐトンネルが狭い状態であり、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、急性鼻炎の時に耳抜きが出来ない状態です。
この様な方は飛行機や高速エレベーターに乗ると外気圧の変化に耳抜きが対応できないため鼓膜が押された様な圧迫感があり聞こえにくい状態になります。
飛行機が苦手で乗るたびに耳が痛くなる方(航空性中耳炎)、聞こえにくくなる方は耳管狭窄が疑われます。スキューバダイビングはこの様な方は危険の為不可となります。
検査は耳鼻咽喉科で、鼓膜の可動性の検査をすれば簡単に診断がつきます。

この様な症状の方は事前に耳鼻咽喉科で点鼻薬治療などをしておくと予防になります。

耳管開放症

耳管狭窄の逆の状態で耳管が開きっぱなしの為話をする時自分の声がひびく、自分の呼吸音が、聞こえるなどの症状が出ます。

  • 比較的痩せ型の女性に多い傾向です。
  • 治療方法は漢方薬と鼻洗浄が有効です。
  • 痩せすぎの方は体重増量も有効です。

真珠腫性中耳炎

幼少期から耳のつまり感を鼻洗浄すすりでなおしている方は要注意です。
鼓膜の上方に上皮が迷入すると骨を溶かしていく真珠腫性中耳炎に移行する事があります。
診断は耳鼻咽喉科でct検査や中耳ファイバー検査にて行います。

鼻すすりくせの方は、小児期から耳鼻咽喉科でしっかりと鼻の治療をする事、滲出性中耳炎は換気チューブ治療をする事で予防が出来ます。
もしも真珠腫性中耳炎になった場合は手術治療が必須となります。放置すると頭蓋内に真珠腫が広がり生命の危険性があります。

よくある質問:耳の症状について

原因については実に様々で、耳垢つまりのような単純なものから、滲出性中耳炎という痛くない中耳炎や聴力が急激に悪くなる突発性難聴などがあります。
一般的に中耳炎は子供の病気ですが、大人の中耳炎の場合、上咽頭という鼻の奥に腫瘍ができていることがあり注意が必要です。
また、突発性難聴は症状が出てから可能な限り早期治療が重要です。
いずれにしても耳が詰まった感じ、聴こえ難いといった症状がある場合当院までご相談下さい。

まず耳鳴りは難聴を伴う耳鳴りと、伴わない耳鳴りに分けられます。
大部分の耳鳴りは、本人が感じている耳鳴りの大きさとはまったく関係なく、聴力自体はほとんど正常です。
一方難聴を伴う耳鳴は突発性難聴であったり、蝸牛型メニエールというめまいのないメニエール病のことがあり、症状が出現してからは早急な治療が必要となります。

代表的な中耳炎として急性中耳炎と滲出性中耳炎があります。
どちらも鼻と耳をつないでいる管(耳管)が関係しています。
急性中耳炎は風邪に合併することが多く、鼻やのどに感染した細菌が耳管を経由して耳の奥に入り込んで化膿する疾患です。
激しい痛みを伴い高熱が出ることもあります。
滲出性中耳炎は慢性の鼻炎やアレルギー性鼻炎に合併することが多く、慢性的に続く鼻汁や鼻づまりのために、本来耳管を通して行われているはずの耳の中の換気が悪くなり、水のような浸出液がたまる疾患です。
急性中耳炎・滲出性中耳炎ともに基本的には子供に多い病気ですが、大人の方でこれらの中耳炎を繰り返す場合、鼻の奥に腫瘍ができていることもあり、きちんとした検査が必要です。

鼻と中耳をつなぐトンネルの機能不全のことです。
例えば、飛行機や高速エレベーターなどで耳が膜のはった感じが生じてもつばを飲むと治るのは正常ですが、治らない状態が継続する状態です。
耳管機能不全があると、自分の声が耳の中で響く感じがあります。

妊娠やダイエットなど急激な体重の変動やアレルギー性鼻炎の鼻つまりが原因となりやすいです。

耳鼻咽喉科では鼻から空気を通気する処置が一般的です。
当院では通院が最小限になるように、漢方薬の治療などをすすめています。

現在では抗生剤治療が発達し、以前の様な中耳炎から急性乳様突起炎、肺炎や細菌性髄膜炎など重篤な感染症は少なくなりました。
一方で医療機関での抗生剤の乱用により、細菌が強くなり、抗生剤の効かない薬剤耐性菌が問題となっております。
当院では対策として細菌培養検査を積極的に施行し、必要最小限の抗生剤使用を使用するように努力しております。

鼓膜の奥に滲出液のたまる滲出性中耳炎は小児の伝音難聴の最も多い原因です。
幼少期の子供は自分で聞こえないと訴えないため、周りの大人が気づいてあげないと放置され、言葉の発育が遅れたり、落ち着きがないないなど精神発育遅延の原因になります。
耳鼻科では数秒で終わる簡単な検査ですぐに診断はつきますが、難治性で治療期間が長期にかかる疾患です。
放置すると癒着性中耳炎や将来的に真珠腫性中耳炎に以降することがあり注意を要します。
当院では鼻治療など保存的治療を3ヶ月継続しても改善しない場合は鼓膜チューブ留置術を施行しております。
まずは2~3ヶ月で自然に脱落する短期型チューブを留置します。
チューブ施行すると速やかに聴力は改善し、通院も2週に1度程度でかまいません。
日常生活は普段どうりできますが、プールなど入るときに耳栓の使用が必要です。
短期チューブを施行するも改善しない難治性の滲出性中耳炎に対しては長期チューブ(1年留置)を施行することがありますが、長期チューブの場合鼓膜に穿孔が残ってしまうリスクがございます。

当院では小児専用の抑制帯を用いる事で、非常に細かい小児の耳の手術を局所麻酔で安全に施行できます。
対象は0歳から顕微鏡手術にて施行する事ができます。

手術前に麻酔に30分程度で、手術は10分程度で痛みはほとんどありません。

耳鳴り、耳管開放症、起立性低血圧、くらくらしためまい、咽喉等異常感症、後鼻漏、慢性的な鼻の奥のひりひりした感じ(上咽頭炎) 現在でも西洋医学の薬の効果のすくない上記の疾患に対して、当院では漢方治療も積極的にしております。疾患によっては驚くほど改善する可能性がございます。
漢方治療の希望がある方は医師まで希望をお伝えください。

よくある質問:めまい症状について

めまいといっても視界が回る、ふらふらする、立ちくらみ、乗り物酔いなど様々種類があります。
めまいの原因は多岐にわたりますが、大きく分けると耳からくるめまいと脳からくるめまいに分けられます。
ごくごく簡単に言えば、耳からくるめまいは視界がぐるぐると回る回転性で、聞こえの症状(難聴・耳鳴・耳の詰まった感じ等)を伴うことが多いようです。

一方、脳からくるめまいはふわふわする様な感覚や、血の気が引くような感じが多く、手足のしびれや目がチカチカするといった症状を伴うことがあります。
最近の食生活の欧米化、高血圧や脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、痛風といった生活習慣病の増加に伴い、脳の血流が悪くなるために起るめまいが増えています。
ちょっとしためまい、ふらつきが実は脳卒中の前兆である場合もあるので、お心当りのある方は早期の検査をお勧め致します。

メニエール病とは突然の発作と激しく回転するようなめまいに襲われ、同時に耳鳴り、難聴、嘔吐、吐き気、などの発作が数分から数時間起きる病気です。
発生については人それぞれですが、1ヶ月に何度も起こる人もいれば、年に数回の人もいます。
難病指定でもあるメニエール病の原因については、現在明確な理由が解明されていませんが、耳の中の内耳という部分に内リンパ液が増え、水ぶくれのようになっている状態で起こる病気(内リンパ水腫)であるというのが一般的に判ってきています。

内リンパ水腫が内耳を圧迫することで平衡感覚をつかさどる内耳の機能に障害をきたします。
現状では、過度のストレスや睡眠不足によって内リンパ水腫が起こりやすいなど、ストレスと内リンパ水腫との何らかの関係があるように考えられています。
また、内リンパ水腫が大きく膨れ上がり、内リンパの膜が破れ、内リンパと外リンパが交じり合うと、激しいめまいが起ることがわかっています。