手術後鼻洗浄のススメ

当クリニックでは手術後、傷を早く治すために鼻の洗浄を推奨しています。

鼻の粘膜の傷は、皮膚の傷とは違い、包帯やガーゼを当てて傷を保護することができません。

粘膜では、血液が凝固した、いわゆるかさぶたがその役目を担っています。

かさぶたは自然にはがれるのが一番良く、徐々に小さなものに変わっていきます。

しかし勿論、はがれるまでは鼻づまりに悩まされることになります。

そこで生理食塩水を用いた鼻洗浄を行っていただくことにより、傷の治りに必要な適度な湿度環境を作り、空気の通り道にできた余分なかさぶたを無理にはがすことなく除去することができます。

その結果、傷が速くきれいに治っていくのを助けます。

鼻洗浄は患者様が自分で行うセルフケアになります。

皆様にはお手数ですが、毎日2回の洗浄(1回でも効果はあります)を行って頂くことにより手術後の鼻づまりを軽減し、感染の予防にも繋がります。

当クリニックでは手術後1週間の間に2回受診、その後は月1回の受診をお願いしていますが、どうしても鼻づまりが強いと感じた時には受診していただければ、いつでも状態を確認致します。

しかし、鼻洗浄はその受診を減らすうえで有効であり、早期の社会復帰への手助けになります。

また手術後の良い状態を保つ上でも、ぜひ継続していただくことを推奨致します。

現在鼻洗浄を行う器具は様々な種類がありますが、比較的安価でAmazonや一般の薬局などで入手しやすいハナクリーンSをお勧めしています。

鼻洗浄の作り方

洗浄液は、手軽に作れる洗浄剤「サーレ」を購入してもよいですが、ご自分で手軽に作る事も出来ます。水道水で良いので約38度の500mlのお湯に小さじ一杯のお塩を溶かせば洗浄用の生理食塩水となります。これは鼻水と同じ成分なので刺激がなく粘膜に優しいので傷にも安心です。

歯磨きと同じで習慣化した鼻洗浄は薬の必要性を半減し、手術後もいい状態を保つことが出来ますので是非使ってみてください