当院は好酸球性副鼻腔炎の診断と治療に力をいれております。難病指定医療機関です。

好酸球性副鼻腔炎(Eosinophilic Chronic Rhinosinusitis, ECRS)は、慢性的な副鼻腔炎の一種で、好酸球という白血球の一種が鼻粘膜や副鼻腔の炎症を引き起こすことが特徴です。以下に主な特徴をまとめます。

特徴

1.  炎症の原因: 好酸球が過剰に副鼻腔に集まり、慢性の炎症を引き起こします。
2.  症状: 慢性的な鼻詰まり、膿のような鼻汁、嗅覚障害、頭痛や顔面痛などが見られます。また、鼻ポリープ(鼻茸)が形成されることも多いです。
3.  難治性: 通常の慢性副鼻腔炎と比較して治療が難しく、再発しやすいことが特徴です。
4.  合併症: 喘息やアスピリン過敏症(アスピリンなどのNSAIDsによる喘息発作)を合併することが多いです。

診断

•   鼻内視鏡やCTスキャンでの検査に加え、鼻粘膜や鼻汁中の好酸球数を調べることが重要です。
•   鼻ポリープの有無や副鼻腔の腫れ、影響の広がりなども診断の基準になります。

治療

1.  薬物療法:
•   ステロイドの内服や局所投与(点鼻薬など)が一般的です。特にステロイドは好酸球性炎症を抑えるのに効果的です。
•   抗ヒスタミン薬や免疫調節薬が用いられることもあります。
2.  手術:
•   重症例では内視鏡下副鼻腔手術(ESS)で副鼻腔内の病変を取り除くことが行われます。
3.  生物学的製剤:
•   最近では、好酸球に対する特異的な生物学的製剤(デュピルマブなど)が使用されることもあります。

好酸球性副鼻腔炎は、患者さんの日常生活に大きな影響を及ぼすことがあるため、適切な診断と治療が重要です。